シミ治療にはレーザー治療、光治療、外服薬、内服薬などがあり、これらを併用する場合もあります。ここでは外服薬でのシミ治療、トレチノインとハイドロキノンについて解説していきます。トレチノインはビタミンA誘導体のひとつであり、肌のターンオーバーを促進させて肌の内部からシミを排出させる効果があります。市販にもレチノールなどのビタミンA誘導体が配合されている化粧品はありますがトレチノインの働きはその約50~100倍だといわれています。
シミを排出させるだけでなく肌全体の生まれ変わりをサポートし、コラーゲンやヒアルロン酸など自身が持つ細胞の生成も活性化させます。一方、ハイドロキノンは肌の漂白剤と呼ばれるほどの美白効果があり、シミを作り出す酵素を抑制してシミを作らせないようにする効果があります。シミ治療にはこの2つの薬を併用していくのですが、その理由はトレチノインで肌の内部のシミを排出させる際、新しく生まれ変わった肌は紫外線のダメージを非常に受けやすい状態となっており、メラニンも活発に生成されています。そのため紫外線ケアを怠ると再びシミが発生したり色素沈着を生む場合があるのですが、シミ抑制効果の高いハイドロキノンを併用していくことでこれらの問題を防ぐことができます。
また、トレチノインとの併用によってハイドロキノンが肌内部に浸透して作用しやすくなり、高い美白効果を得ることができます。シミ治療に有効なトレチノインとハイドロキノンですが、使い方を間違えてしまうと肌トラブルを引き起こす場合もあります。用法用量を守り、正しく使用するようにしましょう。